ホールディング(catch/lift/holding)はバレーボールの中でも判定が難しく、審判として求められるスキルの中でも見極めが重要です。特に攻撃やブロックの際、ボールがどのように接触し、どの程度保持されたかによって反則となるか判断が大きく変わります。本記事では反則ホールディングの定義から判定基準、実践的なコツ、最新の規則テストに至るまで、豊富な事例とともに詳しく解説します。初心者から経験者まで、審判の判定精度を高めたい人に役立つ内容です。
目次
バレーボール 審判 ホールディング 見極めの定義とルールの背景
反則のホールディングとは、ボールが手や腕や身体のほかの部分に当たった後、即座に反発するのではなく、捕らえられたり持ち上げられたりして動きが止まる、または制御される動作を指します。この定義は国際競技や国内大会の公式規則に基づくもので、攻撃ヒットやレセプション、ブロックなどさまざまなプレーで適用されます。例えばボールが手に引っかかったり、腕で持ち上げられたりするような動作はホールディングとなる可能性があります。
この判定は選手の技術レベルや試合のレベルによって規準が変わるため、審判は試合前のカテゴリーや大会規模、選手の動きの速さを考慮する必要があります。国内の公式9人制審判実技マニュアルでは、ボールが腕・手のひら・胸などで**静止したり引っかかり持ち上げたりするプレーはホールディングの反則となる**と規定されています。
ホールディングに含まれる具体的な動作例
具体的には以下のような動作がホールディングとして反則になることがあります。これらの例を知ることで見極め能力が高まります。
- 攻撃ヒットでボールが手のひらに乗るように静止する動作
- ブロック後、逆方向にボールを抑えて持ち上げるような腕の動き
- ワンタッチや指での設定(set)で、ボールを持ち上げてから投げるような二段階の動作
- 胸や腕といった身体部分でボールを“抱える”ような接触
ホールディングと近い反則との区別
ホールディングは他の反則と区別されることが重要です。例えばコースの制御があるかないか、接触時間の長さ、接触の方式などです。ダブルコンタクトやキャッチ/スローなどが近い反則ですが、ホールディングは特に“保持”のニュアンスが強いです。
- ダブルコンタクト:同一選手が異なる瞬間に連続でボールに触れること。ただしファーストヒットなど例外あり。
- キャッチ/スロー:明らかに捕らえたり投げたりする動作。
- 持ち上げ(lift):ボールをある位置に保持して、その後操作するような動作。
最新情報と規則テストにおけるホールディングの扱い
2026年には国際バレーボール連盟が試験的に“push‐carry‐catch‐throw‐tip”アタックの厳格化を導入しました。この試験では明らかにバレーのルールに反するキャッチ、投げ、押し込む動作などを認めず、ごく短時間のタッピング(tip)のみを認める方式です。同様の動作基準はホールディングの判断にも直結しています。
ホールディングの見極めに必要な審判技術と視点

正確な判定を下すためには、審判はさまざまな技術と視点を持つ必要があります。単にルールを覚えるだけでなく、実際のプレーでの見え方、選手の動きの予測、ポジショニングなどが全て関わってきます。
観察すべき接触のタイミングと形
ボールが身体に触れる「瞬間」から弾むか否かが重要です。接触直後に弾まない、明らかに保持されている場合にはホールディングとなる可能性が高くなります。また手・指・ひら全体・腕・胸など、どの部位でどのように接触しているかも観察ポイントです。特に手のひらで包み込むような形や、指がボールを包み込むように使われている場合は警戒が必要です。
プレーの速さと選手レベルの影響
ボールが速く送られてきた場合には、選手は反応的に処理することが求められ、それに応じて判定も許容される範囲が広がります。逆にゆっくりした球やコントロール可能な状況では、保持時間や動作がはっきり観察可能になります。大会レベルが高いほど、プレーの速さに加えてテクニックが上がるため、ホールディング判定の基準も厳しくなります。
審判ポジションと視野の確保
主審はネット上方の高い位置、副審はネットサイド、線審はライン近くというように配置しています。ホールディングの判定では、主審だけでなく副審・線審の動きと協調して観察することが不可欠です。特にブロックプレーの後や手がネット上部でボールを触れた後の動きは副審との連携で正確さが増します。また、選手の手がネットを越えている場合やネット面から離れてどのようにボールを扱っているかもチェックポイントです。
審判実践でのケーススタディと判定の曖昧の対処法

ホールディング判定では、「明らかさ」が重要な基準となります。ただし試合中には判断が難しい状況も数多く存在します。以下のケーススタディで、どのように対応すべきかを具体的に見ていきます。
ファーストヒット時の連続接触と保持
通常、チームのファーストヒット(サービスレシーブやブロックから返ってきたボールなど)では、身体の複数箇所に連続して接触しても 一つの動作(one single action)であれば反則とはなりません。しかし、その動作中にボールが明確に保持されたり、止まったりするならばホールディングとなります。つまり連続接触が許されるのは動きが止まらない範囲に限られます。
ブロック時のredirect/静止/持ち上げ動作
ブロックプレーでは、ボールを相手コートに跳ね返す目的で触れることができます。しかし、ボールが静止したり手の動きで持ち上げたりすると反則です。例として、ブロック後にボールが腕や手に引っかかる感じで止まる、あるいは持ち上げられて方向を変えられるような動作が見られる時にはホールディングと判断されます。
審判が迷った時の判定の優先原則
迷うような微妙な接触があった場合、以下の優先原則を念頭に置くと良いでしょう。まず「球が反発したか否か」、次に「動作が一つのアクションであるか」、最後に「動作の意図性や制御の度合い」です。意図性は完全には必要ではありませんが、制御されている動きは反則となることが多いです。また、選手の技術レベルや試合のレベルを考慮して、判定の厳しさを調整することも許されます。
最新の規則テストと今後の動向
審判としてホールディングの判定スキルを伸ばすためには、現在試験中や議論中の規則の動きを把握することが有効です。2026年から導入されたテスト措置は、いくつかのプレーにおいて判定基準を明確にしようとするもので、将来の判例や公式ルールに影響を及ぼす可能性があります。
“Push‐Carry‐Catch‐Throw‐Tip”アタックの厳格化テスト
このテストでは、攻撃動作の中で明らかな“キャッチ”や“投げる”動作、ボールを保持している動作は認められません。非常に短時間の“tip”(軽く指先で触れるような動作)のみが許され、それ以外は反則対象になります。これはホールディングの判定において、接触時間の長さと球の進行方向変化をどう扱うかを明確にする方向性を示しています。
審判講習会とケースブック活用による研修の重要性
審判技術向上のためには公式な審判講習会やケースブック教材を活用することが不可欠です。実際の映像や実例をもとに判定理由を学び、異なる判例を比較検討することで、自分の判定基準の傾向を把握できます。国内大会でも実技マニュアルにホールディングに関する記述があり、それを参考に練習を積むことで見落としを減らすことができます。
審判間のコミュニケーションと一致した基準設定
主審・副審・線審がそれぞれ異なる視点から観察しているため、判定の際には試合前・ラリー終了後に短い協議を持つことが望ましいです。特にホールディングのようなあいまいさを含む反則では、どの程度の保持を反則とみなすかを審判団で共通理解することが、試合の公平性・一貫性を保つ鍵となります。
審判の練習方法と判定精度を高めるためのトレーニング

理論を学ぶだけではなく、実践での訓練を通じて見極め力を養うことが求められます。ホールディング判定に自信を持てるようになるには、以下の練習方法を継続的に実施することが有効です。
映像判定の視聴トレーニング
トップレベルの試合映像やケースブックを見て、どこでホールディングが取られているかを分析します。特に攻撃ヒット、ブロック、レセプションのそれぞれの場面での違いを観察すると、判断基準の多様性と重要ポイントが見えてきます。映像ではスロー再生などで接触時間やボールの挙動を細かく確認できます。
例題形式での審判練習
練習中に複数の例題を設定し、審判同士で判断を出して比較します。例えば「ファーストヒットで複数接触したがボールが止まらなかった」「ブロック後にボールを持ち上げて相手コートに送ったか」などの分け方です。判断理由を言語化することで自身の基準を明確にできます。
模擬試合・審判ロールプレイでの応用
審判団全体で模擬試合を行い、主審・副審・線審それぞれの立場からホールディングの見極めを実践します。特に副審や線審が主審を補助する場面でどのようにシグナルを出すか、どの瞬間に判断の声を掛けるか、などのコミュニケーション練習が重要です。
他競技・国際基準との比較で学ぶホールディング
日本の公式ルールや国内マニュアルだけでなく、国際連盟や他国のルールを比較することで、より広い視野を得られます。近年の規則変更の方向性を含めて、様々な基準に触れておくことが判定精度のブレを減らします。
国際連盟(FIVB/VNL等)のガイドライン
国際競技では、FIVBが発表するレフェリー用のガイドラインやケースブックが基準となります。2026年の規則テストにより、特に“catch/throw/carry”等の動作を厳しく取り締まる動きがあります。これらは国内規則にも影響を与え始めており、国際基準に適応できるよう準備することが必要です。
国内9人制やジュニアレベルでのルールの適用差
国内の9人制プレーやジュニア大会では選手のスピードや技術が発展途上であるため、保持時間や動作の複雑さに対して許容度が若干高くなることがあります。ただし公式マニュアルでは静止または持ち上げの明確な動作は反則とするとされていますので、判定基準のぶれを防ぐためにも明確な理解が必要です。
まとめ
ホールディングの見極めは審判にとって非常にチャレンジングですが、正しく定義と基準を理解し、実践的な視点と練習を積むことで判定精度を大いに高めることが可能です。接触のタイミング・ボールの反発性・動作の一連性などをしっかり観察し、試合のレベルや選手の動きを考慮することが肝要です。
さらに、最新の規則テストやケーススタディを学び、審判団で共通基準を共有することで、公平で一貫性のある判定ができるようになります。審判技術向上は試合の質を高め、選手や観客の信頼を得る鍵です。これらを日々の練習で磨いていきましょう。
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