バレーボールでは基本的に手や腕でプレーするイメージが強いですが、実は足でボールを触っても公式ルール上は禁止されていません。
以前は膝より下の部分でのプレーが反則とされていたため、多くのベテラン選手や指導者は今も足を使うことに否定的な印象を持っています。
国際大会の試合でも、サッカー経験者が多い南米勢などが足で強烈なスパイクを返球する場面が見られます。
この記事では、最新のバレーボールルールにおける足の使用について詳しく解説し、実際の試合での活用例や注意点を紹介します。
目次
バレーボールのルールでは足を使うプレーは許されるの?
現行のバレーボール競技規則では、ボールを身体のどの部分で触れてもよいと定められています。つまり、意図的に足で蹴る行為や、うっかり足に当ててしまった場合でも、それ自体は反則ではありません。ただしボールを抱えるように足に挟んで保持するような行為は反則(ホールディング)となるため、ボールがすぐに離れるようにプレーする必要があります。足で触れた際も、他の違反(トスやダブルタッチなど)に該当しなければプレーは続行されます。
公式の6人制競技規則(9.2.1節)には「ボールは身体のどの部分で触れてもよい」と明記されています。この改正ルールは1995年から適用されており、以降は足を使ったプレーが認められています。従って現在では、レシーブやスパイクで足を使うだけで反則になることはありません。なお、ボールを扱う際は手で行うのが基本ですが、緊急時には思い切って足を使うこともできるわけです。
公式ルールでは足でボールに触れてもOK
バレーボールの公式ルールでは、ボールに手や腕以外の部位で触れても反則にはなりません。例えば、ボールが足に少し触れただけで反則になるということはなく、足でレシーブしてもクリーンプレーとみなされます。実際、ルールに「ボールは身体のどの部分を触れてもよい」と記載されており、この規定に違反するプレーは存在しないことが明確になっています。
また、ボールを頭や背中などほかの部位で触れても全く問題ありません。過去の膝下禁止ルールが廃止されて以来、「足を使ってもよい」という認識が浸透しています。そのため、ボールが足に触れてコントロールされた場合でも、通常は反則とはなりません。ただし、接触が長時間になってしまう「キャッチ」に当たる行為や、連続して触れる「ダブルタッチ」には注意が必要です。
1995年以前は膝下禁止ルール
バレーボールのルールが大きく変わったのは1995年のことです。以前は「膝から下での打球は禁止」という規定があり、仮にボールが足に触れた場合は反則とされていました。このため、それ以前の世代では足を使うプレーをほとんど見かけず、ボールを蹴る行為はマナー違反のように扱われていたのです。
ルール改正後は全身を使ってのプレーが認められるようになり、競技者はボールを落とさない限りどこで触れてもいいとされています。古いルールを経験した指導者も存在するため、その影響で「足で蹴るのはダメ」と考える人もいますが、あくまで過去の慣習です。現在の公式ルールではボールを足で救っても問題ないことを理解しておきましょう。
昔の選手・指導者の誤解
昔にバレーボールを経験した選手や指導者の中には、膝下禁止ルールの名残で、今も足を使うことに否定的な人がいます。そのため、練習や試合で足を使うと「マナー違反だ」と叱られることがあるかもしれません。実際、古い世代ではボールを蹴るプレー自体が非常に珍しかったため、新ルールを知らずにいる方も多いのです。
しかし、現代バレーボールではルール改正により足の使用が正式に認められています。指導者も最新の規則に基づいて判断する必要があり、足でナイスレシーブをした選手がいた場合は正当に評価されるべきです。世間の誤解に振り回されず、ルールの正しい理解を周囲に伝えることが大切です。
足を使ったプレーのメリットと活用シーン
足を使ったプレーには、いくつかのメリットや有効なシーンがあります。特に「最後の砦」として活用できるケースが多く、例えば後方のボールに手が届かないときに足でつなげれば失点を防ぐ可能性が高まります。また、足で思い切り蹴ることで強い返球を狙うこともでき、相手を驚かせる意外性もあります。
プロ選手の中にも、ピンチを救う場面で足の技を見せる人がいます。例えば、相手ブロック後にボールが自分の近くに落ちてきたときは、手では間に合わないため足でパンケーキのように救球することがあります。また、コート後方にロビングされたボールを遠くまで返す場合、足の方がパワーを出しやすいため、有効に使われることがあります。
- 【最後の手段】競り負けて床に落ちそうなボールをつなげる
- 【威力ある返球】足の強いキックでボールを遠く・速く飛ばす
- 【意外性】相手が予想しないプレーでリズムを崩しミスを誘う
最後の砦:落下寸前のボールを救う
ディグやレシーブの場面で、ボールがコートに落ちそうになったときに足を出せば、守備範囲が広がります。足でボールを払ってつなぐことで、味方がカバーする時間が稼げます。特にリベロやディガーは、手が届かない低いボールにも勇敢に足で対応し、ネットプレーにつなげることがあります。これにより、チームが粘りを見せて得点機会を生むことが可能になります。
強力ショット:足を使った返球
攻撃時に強烈なボールを飛ばす場面でも足が役立ちます。特に相手のロビング攻撃を受けた場合、後方からでも足を使って遠くまで強く返球できます。足は筋力が強いため、手よりもパワーを出しやすい利点があります。これによりミドルバックやロングレシーブした際、足でつないで強いパスに変換し、速い展開を狙うことが可能です。
実践例:プロ選手による足技活用
実際の試合では、サッカー経験のある選手が足技を披露することがあります。例えば南米の選手は足のボールコントロールに長けており、遠くのボールを足で綺麗に戻す場面が見られます。また2012年ロンドンオリンピックの日本対中国戦では、日本のリベロが最後の粘りで足を使おうとしたシーンが話題になりました。このように、国際試合でも足技は度々登場します。
足を使ったプレーの注意点(反則となる行為)
足を使う際には、一部の反則行為に注意が必要です。最も注意すべきはボールのキャッチやホールドで、足でボールを抱え込んで保持するとホールディングとなり反則となります。また、意図的に足で2回以上続けてボールに触れると二段トスと見なされる場合があります。以下の表に、許可されるプレーと反則になるプレーの例をまとめました。
| 許可されるプレー | 反則となるプレー |
|---|---|
| ボールを足で軽く触って返球する(プレーの継続) 足でパンケーキのようにつなぐ(反則にならない) |
ボールを足に挟んで持ち続ける(ホールディングと判断) 足を使って2回以上連続で触る(二段扱い) |
キャッチ・ホールドする行為
ボールを足にのせてそのまま持続させると、審判にホールディング(キャッチ)と見なされ反則になります。足を使う際は一瞬だけコンタクトしてすぐに離すように心がけ、ボールを「保持」しないイメージでプレーしましょう。例えば、足で強く蹴り返すか、すぐにパスにつなげる形で触ると安全です。
二段トスに注意
足でボールを処理したあとにもう一度同じ足や別の足で触れると、二段トスと認定される可能性があります。特にボールが足に乗った状態から次の動作に移るときに注意が必要です。ただし、1回の素早いタッチで終われば問題ありません。意図的に足2回でボールを扱うのは避け、可能な限り手でつないでプレーするのが望ましいです。
サーブやブロックでの足の使用
サーブ時にはボールを手で打たなくてはならず、足で打つサーブは反則になります。例えば、サーブカットの際に足で触れてしまうと反則扱いとなるので注意しましょう。また、ブロックは腕によるプレーであり、足でブロックすることはできません。ネット際のプレーでは足は使えないと考え、ブロックやスパイクには十分に注意しましょう。
まとめ
現在のバレーボールルールでは、ボールは身体のどの部分で触れてもよいと定められており、足を使ったプレー自体は反則ではありません。落下寸前のボールへの対応や、遠い位置から強く返球したい場面では足技が有効です。その反面、足でボールを保持したり、連続して扱ったりすると反則になり得るため、コンタクトは素早く行いましょう。ルールを正しく理解し、必要時には足のプレーも活用しつつ、基本は手でしっかりプレーすることを心がけましょう。
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